入門 Prometheusを読み終わりました
入門 Prometheusを一通り読み終えたので書評です。
O'Reilly Japan - 入門 Prometheus
評価
★★★★★★★☆☆☆(7/10)
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オススメできる人
- Prometheus入門した人
- Prometheusの公式ドキュメントの英語に挫折した人
タイトルが入門 Prometheusなので入門した人は当然として、
公式ドキュメントを読んで英語に挫折した人にも良さそうかなと思います。
オススメできない人
- Prometheusを通して監視を勉強したい
監視はそもそもどういうことをすればいいのかといったところについては
簡単に触れる程度にしか書かれているないのでPrometheusを通して監視を勉強したい人には向かないと思います。
感想
私は一通り公式ドキュメントは読んだのですが、詳細まで理解できているかというとそうでもなかったので購入してみました。
Prometheusの構成要素とそれぞれの使い方、PromQLの使い方、デプロイの仕方と運用する上で必要そうな内容は揃っていると感じました。
監視対象の数が多い場合にどのようにスケールさせるかもについても少しではありますが書かれています。
私は公式ドキュメントの関数部分について詳細に理解できていなかったので、 関数の詳細が説明されているところが助かりました。
タイトルの通り、Prometheusに入門するには良い本だと思います。
モデルベース要件定義テクニックを読み終わりました
モデルベース要件定義テクニックを一通り読み終えたので書評です。
モデルベース要件定義テクニック - 秀和システム あなたの学びをサポート
評価
★★★★★★☆☆☆☆(6/10)
評価の目安はこちら
オススメできる人
- 要件定義の新しいやり方を探しているひと
オススメできない人
- ウォーターフォールでの要件定義について知らないひと
要件定義のやり方はプロジェクトごとに違うと思いますが、
だいたいどういうことを決めないといけないのかを知っている人が対象かと思います。
従来のやり方と対比する為にも知っておいた方が良いかと思います。
感想
RDRA(リレーションシップ駆動要件分析)という手法で要件定義を行うやり方について説明されています。
内容としてはUMLをベースとした複数のモデルを関連づけて、要件定義をしていくという内容になっています。
UMLをベースにしていますが厳格な書き方を重視していないのでUMLの知識がなくても読めると思います。
効果的な要件定義のやり方は何かないかと思い、この本を読んでみました。
一通り読んでみた感想としてはこういうやり方があって、今のチーム構成だとうまくいくかもなという感じです。
ただ、本を読んだだけではピンとくるものがなく、
実際に仕事でこの方法を適用したり、ワークショップなどで体験したりした方が良さそうです。
新しいやり方として知識を得るには良い本だと思います。
SQLアンチパターンのジェイウォークを縦持ちテーブルに変換する
概要
SQLアンチパターンの1つであるジェイウォークと遭遇して、
一回のSQLで縦持ちのテーブルに変換できたのでその方法のメモです。
前提条件
- PostgreSQL 11.1
テーブル
元テーブル
下記のようなテーブルがあります。
id | value |
---|---|
1 | apple,orange,banana |
2 | apple |
3 | orange,banana |
valueにはカンマ区切りで値が入っています。
テーブル名は「jaywalk_table」とします。
取得したい形
id | branch_number | splited_value |
---|---|---|
1 | 1 | apple |
1 | 2 | orange |
1 | 3 | banana |
2 | 1 | apple |
3 | 1 | orange |
3 | 2 | banana |
カンマ区切りの値に対してそれぞれを1レコードとして枝番号をつけます。
SQL
実行したSQLは下記です。
SELECT id, ROW_NUMBER() OVER(PARTITION BY id) AS branch_number, splited_value FROM ( SELECT id, regexp_split_to_table(value,',') AS splited_value FROM jaywalk_table ) AS temp
解説
regexp_split_to_table
regexp_split_to_table関数は指定した区切り文字で区切って、区切られた値をそれぞれレコードに変換します。
例えば、下記のSQLを実行すると・・・
SELECT regexp_split_to_table('apple,orange,banana', ',')
下記のような結果が返ってきます。
regexp_split_to_table |
---|
apple |
orange |
banana |
この関数を使えばジェイウォークは解消されます。
ROW_NUMBER
ROW_NUMBER関数はWindow関数の一つです。
Window関数はグループごとに計算を行い、計算された結果を各レコードに返します。
今回でいくとOVER(PARTITION BY id)
はid
ごとにグルーピングすることを表し、
ROW_NUMBER()
でそのグルーピング内で行数を返してねという感じの流れです。
まとめ
集合を返す関数とWindow関数を組み合わせると良い感じにジェイウォークを解消できますね。
失敗から学ぶ RDBの正しい歩き方を読み終わりました
失敗から学ぶ RDBの正しい歩き方を一通り読み終えたので書評です。
評価
★★★★★★★★☆☆(8/10)
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オススメできる人
- RDBを使ったシステムの運用をしている人
オススメできない人
- RDB初学者
正規化、PK/FK、インデックスなど意味や仕組みを知っていることが前提条件になっていると思います。
書籍内で説明もしてくれているので読む分には問題ないかもしれないですが、
しっかりと理解する上では前提になっていると思います。
感想
書籍全体としては現場で遭遇するアンチパターンとそれに対するノウハウといった内容でした。
1-9章まではテーブル設計に関する基本という内容でした。
私も今となっては当たり前の内容だなと感じることはできますが、
サービスの運用をしたことなかった時期にここまで考えられていなかったような気がします。
10-20章は運用周りの基本といった内容でした。
テーブル設計だけだと運用周りまで含めた問題の回避にはならず、
10-20章で挙げられているような問題が発生してしまうと思います。
全体的に「運用する上では当たり前に考えないといけないことだよねー」という内容です。
ただ、実際の現場ではできていないことも多くあります。
だいたいは実体験で覚えることが多いと思いますが、この書籍は実体験で覚えることを明文化されています。
RDBを運用する上での必読本と言えると思います。
Software Architecture in Practice, Third Editionを読み終わりました
Software Architecture in Practice, Third Editionを一通り読み終えたので書評です。
Software Architecture in Practice, Third Edition
評価
★★★★★★★★☆☆(8/10)
評価の目安はこちら
オススメできる人
- ソフトウェアアーキテクトを目指す人、または実務経験者
オススメできない人
強いてあげるならタイトルがそのもなのでアーキテクチャ周りに興味ない人。
感想
Intoroductionにもある通りアーキテクチャとは何か?なぜ重要なのか?
そして、何を知っておくべきでどういうことをしないといけないかが書かれています。
私自身が英語をしっかりと読めるわけではないので、理解できていないところは多いのですがまとめるとそんなところだと思います。
Part TwoではQuality Attributes(品質属性)でどんなものがあるかとそれぞれに対する戦略が説明されています。
Availability/Performance/Security/Testabilityあたりは一般的にもよく聞く内容ですが
Interoperability(相互運用性)/Modifiability(変更容易性)あたりは品質属性と言われれば確かにと思う内容でした。
Usabilityに関してはアーキテクチャとどういう関わりがあるかというのが疑問でしたが
キャンセルできるとか一時停止できるとかというところに関わってくるとあってなるほどと思いました。
Part Threeではアーキテクチャのライフサイクルに関連する内容が書かれています。
実際にアーキテクチャをどのように評価すればいいのかというのは気になっていたので
Architecture Evaluationの章はとても勉強になりました。
Part Fourではアーキテクチャのビジネス的な側面についてが書かれています。
この辺は個人的に理解が浅い部分ではありますが、コスト/利益や組織的な話が書かれていると思います。
Part FiveはクラウドやOSS関連がアーキテクチャにどのように影響しているのかという話でした。
全部を理解できたわけではないですが、アーキテクチャの全般的な内容が書かれているなと感じました。
困った時の道しるべとしても使えそうな気がします。
入門 監視を読み終わりました
入門 監視を一通り読み終えたので書評です。
評価
★★★★★★★★☆☆(8/10)
評価の目安はこちら
オススメできる人
- Webサービスの運用をしている人
- 監視について全体像を知りたい人
オススメできない人
- Zabbixなど特定のツールの使い方を知りたい人
感想
今まで本だけで学んできて実際に監視の設定を行ったことがないので、
「監視ツールの使い方はわかったけど何を監視すればいいのか?」という疑問に抱いていました。
Webアクセスとったり、OSのメトリクスをとればいいくらいの感覚でした。
そんな疑問を持っている私にはとっては色々と学ぶべきことが多かった本でした。
特に「5章 ビジネスを監視する」に関しては今まで考えたことない観点での監視だったので
目から鱗が落ちたという気持ちになりました。
SaaSの話があったり、フロントエンドの監視についての話があったりと
現世代的な監視のあり方というのも学べると思います。
個人的にはWebサービスを運用をしている人は必読かと思います。
DNSがよくわかる教科書を読み終わりました
DNSがよくわかる教科書を一通り読み終えたので書評です。
評価
★★★★★★★☆☆☆(7/10)
評価の目安はこちら
オススメできる人
- DNSの基本をおさえたい人
オススメできない人
- BINDなど特定のライブラリの使い方を知りたい人
強いて挙げるとしたら、特定のライブラリの使い方を知りたい人かと思います。
感想
この本の目次などはこちらを参照するのが良いと思います。
基礎編ではDNSの歴史的な系から始まり、どういう役割を持ったサーバがあるかといったようなことが書かれています。
スタブリゾルバ、フルサービスリゾルバ、権威サーバといった役割が説明されているのがよかったと感じました。
実践編ではDNSを使って名前解決して運用するところまでが説明されています。
私個人としてはAレコードやNSレコードの知識が曖昧だったのですが、そこがわかりやすく説明されていると感じました。
アドバンス編ではセキュリティや引っ越しなど長期の運用を行った時に遭遇するイベントの対応について書かれています。
個人的にはDNSの基本的な部分が網羅されている本だと思います。
私はプログラマなので運用周りはやる予定はないのですが、
DNSの情報を管理する人でなくても読む価値はある本だと思います。